2023年12月10日(日曜日)
小春日和どころか、季節外れの陽気となった。
空は気持ちよく晴れ渡っている。
目指すは、岩国の西、阿品弥山(435.2㍍)と柏木山(518.4㍍)。
弥山山頂には、弥山社(弥山堂)・赤龍社(弥山本宮)・日宛社(弥山本社)の三社が在る。昔は一つの神社だったものが、神仏分離により、麓の、東の阿品村・南の瓦谷村・北の日宛村ごとに分かれた、との謂われがある。三社参りとは、わが明日山会の登り納めにふさわしい。
岩国ICを降り、国道2号線を少し北上。下多田の交差点を左折、美和町に向かう県道59線を暫し走るが、下阿品のバス停付近に分岐があるので、左へと進む。「あるいて弥山 ←・車で弥山 →」との標あり。バス亭前の田圃には、稻木に葉っぱごと吊された大根の列が見事だった。
見事な大根の列 |
500㍍ばかりで高感度地震観測施設の小さな建屋がある。登山口は、すぐその先だ。
9時45分、私たちが登る支度をしていると、軽から降りたった普段着姿の娘さんが、「普通の人は50分、早い人は40分、私なら30分、葉っぱに気をつけて」と言い残し、そそくさと登って行った。結局、今日出会った唯一の人だった。
鳥居をくぐり、登山開始! |
9時50分、左右にいくつかの灯籠を従えたあまり高くない大鳥居をくぐり、登山開始。いきなり登りごたえのある自然に削られた急階段。
3分ほどで一丁目の丁塚。座像のお地蔵様だ。すると、また3分ほどで二丁目。かなり彫りがはっきりとしている。
右へ左へと折れながら、ますます急登となる。このあたりの岩は、厚さ4~5㌢の板状節理となっている。その板の欠片が容易に剥がれ落ちるようだ。
いきなり急登 |
このあたりの岩は板状節理となっている。 |
10時1分、四丁目の丁塚。三丁目は見過ごした。丁塚と丁塚の間はとても短く、時間にすれば2~3分だ。この後、五丁、六丁、七丁・・・と続く。尚、十丁目の丁塚は、唯一、立像とのことだが、撮り損ねた。
十一丁目の丁塚 |
10数年前に家屋があった跡 |
10時19分、十一丁の休み所跡へ。10数年位前には建屋があったようだが、台風で壊れ、今は石の土台を残すのみ。水分を補給し、しばらく休む。弥山山頂が青空に映えて綺麗だ。
急な石尾根を登る。 |
10時30分、出発。急な石尾根だ。鬱蒼とした雑木で気付きにくいが、目を懲らすと、左右は切り立った断崖だ。
紅葉は既に過ぎ、常緑樹の林。この辺りは特に松がイイ。木々の切れ間からの近景は、青空と濃い緑のコントラストが見事だ。
弥山山頂と青空 |
岩と松の木で見事な絶景 |
十五丁、十六丁、十七丁、石畳を踏んで十八丁と、登り過ぎ、10時55分に十九丁。弥山山頂が間近い。
弥山堂に到着 |
11時ちょうど、社の石段を上る。見上げる先には門柱と御堂。そして左手に鐘撞き堂。
御堂に手を合わせ、これまでの無事を謝し、これからの無事を祈る。
鐘撞堂の脇に三角点があり、そこからは、眼下に阿品の集落、遠く東に瀬戸内海に浮かぶいくつかの島影、南の柳井の方角には高照寺山や氷室岳等々の山並みが霞んで望めた。
11時15分、社の裏手に廻ると柏木山の方向を示す標。その先のすぐ右に赤龍社(弥山本宮)。木彫りの狛犬がポツネンと座り、愛らしい。
赤龍社(弥山本宮) |
赤龍社の正面左下に・・狛犬。 |
さらに石段を下りて赤龍社の扁額の架かった鳥居を潜ると、目の前に日宛社(弥山本社)の鳥居と階段。結界のしめ縄の下を通って境内へ。手水舎の横にプレハブの休憩所。その上にしつらえられた展望台に上る。遠景は少しもやっている。この時期としては13年ぶりと言われる黄砂も影響しているのか?
目の前に日宛社(弥山本社)の鳥居 |
「あるいて約30~40分」 |
11時28分。さぁ、いよいよ柏木山へ。例の「あるいて約30~40分」の手作りの標に従い、再出発。
雑木林と檜の造林の間を進む |
GPS発信機を背負った犬に遭遇 |
GPSを背に |
11時40分。分岐あり。左の杭名方面から、GPS発信機を背負ったグレーがかった茶褐色の猟犬が息せき切って走ってきた。吠えもせず、人なつっこいイイ犬だ。猪猟か?犬を置いてまっすぐ上る。
12時。鞍部に降りる。
左に下れば杭名。まっすぐ上れば柏木山。右は通行止め。ここは、間違いやすい。柏木山へは、一旦、杭名方面にちょっと降りて、ターンするように急登をよじ上る。下り続けて、決して杭名方面に行かないように!
分岐点注意 |
落ち葉の積もった雑木の尾根道を幾度かアップダウンを繰り返しながら、徐々に山頂に迫る。先頭は、最高齢のMさんだ。今日は調子がいいみたい。あっけなく到着することもなく、さりとてきつすぎず、イイ山だ、イイ山だと唱えつつ、その背中を追う。
最高齢のMさん、先頭を行く。 |
12時18分、こんもりした山頂に至る。標では「約30~40分」となっていたが、50分を要したことになる。しかし、計画表を確認すると、所用時間は55分、安心する。
そこには、何かの瓶のケースらしき黄色の箱に厚い板を貼り付けたハンドメイドの椅子があり、弁当を摂るのに、まことに具合が良く、ゆったりと眺望を愛でながら味わえた。感謝。
しっかり休み、6人で恒例の集合写真も撮り終え、13時5分に来た道を引き返す。
師走の山を満喫する! |
柏木山からの光景 |
13時20分には鞍部へ下り立ち、35分には猟犬に出会った杭名方面との分岐に戻る。
13時48分、日宛社の脇まで帰った。北の方角に太子山と白滝山、その先に三倉岳や大峰山の山容を望む。
三倉岳や大峰山が遠く望める。 |
計画では、弥山登山口~柏木山のピストンの筈が、前を行く二人の女性が赤龍社の方へは進まず、県道59号線の登山車道へと転ずる。急な下り坂を嫌ったのだろう、と後に従う者も異を唱えぬままに続いた。
ところが、これがなんと長い。九十九折りのアスファルトの道が果てしなく続く。行き交う車も無い。復路も先頭を歩くMさんだけは、スタスタと下り続け、はるか先だ。今日はどうしたのだろう。
15時、やっと下阿品のバス停前の分岐に戻って来た。そこから登山口の駐車場まで、さらに500㍍。15時10分到着。結局、1時間20分を要した。ちなみに計画の往路の所用時間は50分。6㎞は歩いただろうか?ご苦労様でした。
かくして、今年の登り納めは無事終了した。後期高齢者のグループとしては、健闘したと言えるだろうか。
言わずもがなだけど・・・。今日不参加のもうひとりのMさん、昨日わざわざ送ってくれた愛媛は中島の蜜柑をありがとう。出発の前に皆で分けたよ。濃厚でおいしかったぁ。最高齢のMさんが終始先頭を歩いた秘密は、好天と神仏のご加護、そしてこの蜜柑のお蔭かな?
最後に、『会のすべての皆さんに感謝し、来年も、今日のように頑張ろう!』とエールを送り、ラストライターとしてのペンを置くことにする。
了
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