今月は中本さんの寄稿です。
2022.5.22(日)
今日の山は、広島県北部の北広島町と島根県金城町の県境にある大潰山で、国道186号線を挟んでスキー場のある大佐山と対峙しています。ダイセンミツバツツジやレンゲツツジが咲くツツジの名山と紹介されており、私たちもこのツツジを楽しみに向かうわけですが、近年はツツジも減り、他の木の勢力が強くなるなど、昔ほどたくさんは見ることができなくなったともいわれています。
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大潰山山頂からの眺め |
中国道戸河内ICから国道191号、県道11号、国道186号を経て、大佐スキー場の駐車場に着いたのが10時前、ここに車を置きます。数台の車があり、準備運動をしているグループもありました。
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大佐山スキー場 |
今日の参加者はここで合流した1名を含め9名(男5、女4)、晴れて絶好の天気です。
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大佐山スキー場の駐車場で準備体操(右側の方に大潰山) |
10:10 スタート。来た方向へ少し戻って左折、田植えの準備が進む水田沿いの道を歩いて林道に出ます。木々の間から覗く小さな川や左右の山のフジの花を見ながら林道を歩いて35分、左側に「大潰山頂」の道標がある大潰山登山口に着きました。右側に空き地があり4台の車が止まっています。ここまで道の左手に
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田んぼと畑の間の道路を通って登山道入り口へ |
覗いていた小川は、この地点で林道の下を横切って登山道の方から流れ出ています。
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藤の花の紫も若葉の緑に圧倒されて霞む。 |
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近くに、エンレイソウもある。
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右側に大潰山の登山口の看板を見ながら出発 |
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沢をわたり、森の中を進む。 |
登山道に入って沢を渡り、水たまりのあるぬかるんだ道を進みます。この辺りは、大雨が降れば縦横に水が流れることでしょう。沢沿いに進み右に曲がって沢から離れるところで一瞬道を見失いかけましたがすぐに気づき、ここからが急坂が始まりました。ところどころに見えるコバノミツバツツジの花はもうしぼんでいましたが、「ギンリョウソウがある!」との声に足元を覗くと草陰に独特の風情で隠れていました。見つけた人に“アッパレ”です。
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ギンリョウソウがあるよ! |
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緑の森の中はそよ風もあり、気持ち良く歩ける。 |
次の急坂を登ると青い空が見えるようになり、木々も低くなって明るくなります。汗を拭きながらもうそろそろとガイドにあったカラマツ林を探します。やがて右手にそのカラマツが現れレンゲツツジが見えるようになると、間もなく大潰山山頂に到着しました。
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大潰山の山頂上に到着。 |
11:50
頂上はササの広場で、北東方面の一部を除き展望がひらけています。すぐ向こうに大佐山、臥竜山、掛頭山、深入山などが見え、さらに遠くに山並みが連なっています。先客が3~4組、15人ほど。レンゲツツジ、ダイセンミツバツツジがあちこちに咲いており、心地よい風に汗が引いていきます。目の前の景色を眺めながら、ここでゆっくりと食事と休憩を取ります。
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天気も良く、近くのグループの方にシャッター押してもらう。 |
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食事もにぎやかに |
12:40 休憩後、傍示山へ向かって下ります。低木帯の緩やかな下りから、次第に林の中に入り道のところどころにツツジが顔を出します。やはりオレンジのレンゲツツジが目立ちます。鞍部へ下る斜面では、背の低いカシワの木の新葉があちこちに見られます。見晴らしの良い縦走路を風に吹かれて気持ちよく下りました。
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大潰山山頂付近のレンゲツツジの花 |
鞍部からは傍示山に向けて急な登りになります。また林の中に入り、今度は大きなカシワの群落です。登り切って平坦な道をしばらく歩き、傍示山はまだかと地図を見るとすでに968m地点(傍示山)を通り過ぎていました。山頂を感じさせる様子はなく標識もなかったので気づかずに通過してしまいました。
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大潰山(997.5m)の隣の傍示山(968m)を目指して |
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稜線を下る
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なだらかな道から次第に急坂になりほぼ一直線に下っていきますが、広く歩きやすい道で快適です。やがて送電線の鉄塔が立つ地点に出て、さらに下ると草の茂った湿地帯になります。ここら辺りで下から車の爆音が聞こえるようになり、しばらく歩くと登山口である大佐スキー場の大きな駐車場に着きました。
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送電線の鉄塔の下から |
爆音の元はここからで、モータースポーツ愛好家が駐車場の中を走り回っていました。駐車場の端でそれを見ていると、一台の車が来て駐車場を横断するよう促され、我々が横断し終わるまで走りを中止して待ってくれました。一部のスキー場では、シーズンオフの期間に、広い敷地の駐車場を各種イベントに貸し出しているそうで、この日も愛好家によるジムカーナの練習会(?)が行われていたようです。
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ジムカーナの練習会風景、右側の山裾に下山。
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ツツジの名山といわれる大潰山ですが、今回は「山肌を赤く染める」という状況ではなく、その点は私が期待したほどではありませんでした。「近年はツツジも減り、昔ほどたくさんは見ることができなくなった」ということなのでしょう。また、コバノミツバツツジの花はもう終わっていたし、時期が少し遅かったのかもしれません。でも、山頂からの開けた展望や気持ちのいい稜線歩きは最高でしたし、予想していた狭く厳しいササの急坂などもなく歩きやすい快適なコースでした。好天に恵まれて、クマもマムシにも合わず、今日も楽しい山歩きができました。皆さん、今日もありがとうございました。
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