香口さんからの寄稿です
2021年10月24日(日)
香口さんからの寄稿です
2021年10月24日(日)
2021.7.25(日)
登山コースはいくつもあり、地元有志によりよく整備されています。私たちの会も過去に数回登っておりますが、今回は、JR可部線大町駅から約10分の大町ルート登山口からカガラ(ガガラ)山を経由して武田山頂上を目指し、武田山憩の森登山口へ降りてJR可部線下祗園駅へという、会としては初めてのコースです。都合により、大町駅発の時間を少し遅めの10時としていました。参加者は7名(男5、女2)です。予報は晴れ、今日も暑くなりそうで熱中症には注意が必要です。因みに、参加者全員が既にコロナワクチン2回接種済みだそうです。
大町団地のバス道路の一角に登山口 |
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名水への道標を左に見ながら直進 |
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ここではリラックスタイム |
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山道は涼しい木陰のトンネル |
登山口から15分ほどで「名水への道」の標柱が立つ分岐があり、カガラ山は直進です。さらに山道を10分ほど進むと「八幡山里道」とカガラ山の分岐で、まもなく樹林が途切れて明るくなり6分で「武田山・大町コース」の表示があります。
<途中で見かけたキノコ類>
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黄金色のキノコ |
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白い色のキノコ |
きれいなピンクいろのキノコ |
視界も開けてきて、武田山や遠くの島々、木々の間から麓の街並みが見えるようになります。ややなだらかになった道を進んでいくとたくさんの道標がある分岐に出て、武田山へはこの分岐を左折するのですが、まずは直進してカガラ山に向かいます。
11:01 なだらかな尾根道を4分ほど歩くと、ごつごつとした大きな岩が重なったカガラ山の頂上に着きました。山頂には白い標柱が立っていて、だいぶ白が剥げていますが、それには「ガガラ山山頂」と書いてあるように見えます。ここまでにあった新旧多くのカガラ山の道標には、「カガラ」と「ガガラ」の両方があるようです。
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中央にカガラ山(212m)山頂の標識 |
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カガラ山山頂からの眺望、権現山、阿武山、麓の街や団地が一望できる。 |
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カガラ山山頂で集合写真 |
11:15 しばらく展望を楽しんだ後、武田山を目指して分岐に引き返します。分岐からはカガラ山と武田山の鞍部に向かって下ります。5分で「吹通し」の標柱が立つ鞍部に着き、そばの広場には武田山案内図や小さな小屋、丸太のベンチがあり「対峙の場」の標柱がありました。
〈ここで参加者のなかの1名が体調不良で武田山を断念、引き返されることになった。〉
しばし休憩の後、武田山に向かって進みます。すぐに分岐で「八幡山里道・麦田神社」の標柱が立っており、左は大倉屋敷跡、憩の森方向です。ここから4分ほど植林のなかを直登、一時緩やかになるものの今度はつづら折りの急坂が続きます。20分ほどでやや明るくなってきて「吹通し」から30分で展望広場に着きました。
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展望広場、ベンチに座ての展望が期待される |
野登呂山方面の街並みを眺めながら一息入れ、いよいよ銀山城の領域に入っていきます。守りの堅い名城といわれるだけに、武田山には、斜面を削って平らにした廓や尾根を断ち切った堀切などの遺跡が多く残っているそうです。廓跡、見張り台、犬通しなどを通る山頂への道は、大きな岩や狭い急坂、段差の大きい階段などさすが山城跡と感じさせる厳しい登りが続きます。
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銀山城、廓跡 |
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見張り台跡、山城の見張りとして機能の説明がある |
〈その時、引き返された方から無事下山したとの連絡が入り、一同一安心。〉
鶯の手水鉢といわれる大きな岩もあり、眼下に祇園の町が広がっています。
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鶯の手水鉢 |
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武田山山頂大岩付近での集合写真 |
10分ほど絶景を楽しんだ後は下山です。これまでは登りに利用していたメインの祇園・山本ルートを武田山憩の森に向かって下ります。本丸があったとされる千畳敷を通って約10分で石積みの御門跡、8分で大手道分れの十字路に来ました。予定ではここを直進し、馬返しを経て祇園北高校分れを通るコースを下るようになっていたのですが、先頭の私が何を思ったか右折して大手道コースに入ってしまいました。そのままどんどん下り、堰提の横を通り谷川沿いの道を下ると、山頂から35分で武田山ルート案内図がある登山口に着きました。舗装路を下って武田山憩の森に着いたのが14:20でした。
カガラ山の360度に近い展望、山城跡を感じさせる吹通しからの厳しい登り、武田山頂上の広島市街地と瀬戸内海までの眺望など、歴史への興味は薄い私ですが、皆さんと登る山は最高です。厳しい暑さを忘れる楽しい一日になりました。
山根さんの寄稿です
2021年6月27日(日曜日)
深更、雨音に目が覚めた。予報では曇りとなっていたが、梅雨前線が列島近くの太平洋上に張り付き、台風5号が前線を支える形となっている。やっぱり雨かぁ・・・と、気に病みながら再び寝付こうとするも、蒸し暑さもあってか、なかなか二度目の眠りに落ちなかった。
いつもより、2時間近くも遅い6時半過ぎに目覚めると、東の空には薄陽が漏れていた。急ぎ支度をする。
本日は、岩国市美和町の白滝山(458.6㍍)と大師山(471.5㍍)を目指す。
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あの山に登るぞ 右白滝山 左大師山 |
大竹から吉和への国道186号線を折れ、小瀬川の人造湖 弥栄湖に架かる県境の大橋を渡って、県道116号線の最初のカーブを、案内板に従って右へ曲がり、登山口のある“岸根地区集会所”に車を駐めた。参加者は男女各2名の計4名、私の知る限り、最小人数である。
集会所のすぐ前の登山口には、白と青の紫陽花を従えた立派な『白滝山・大師山登山ルートマップ』が建っており、右前方には花崗岩の岩肌を見せて白滝山が、その少し左奥に大師山が姿を見せている。
二つの山の感想を先に言ってしまうと、案内標識の類いが丁寧に整備され誠に気持ち良く、いくつかの山の醍醐味が実にコンパクトに盛り込まれており全く驚いた。適度の高さの灌木の山道・せせらぎ・数々の奇岩巨岩・遮るものの無い眺望・輝く水面・急峻な坂道と鎖場(実際にはロープだが)・神社御堂・路傍の石仏・・・。なんで今まで、こんな近場のイイ山に登らなかったのだろう。と、思った。
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赤のAコースを歩きました |
さて、予定より5分ほど早く、9時25分頃、東に向かい登り始める。浅い眠りだったせいか、体が重い。10分も歩くと、最初の標識。「頂上まで1.3㌔」とある。栗林を護って設けられた金網の柵沿いを進むと、倒れて間が無げな倒木が路を遮っていた。路は泥濘でいる。
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頂上まで1010m地点 |
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山ツツジは今が咲く季節なんですね |
薄紅色の山躑躅が綺麗だ。9時57分「頂上まで700㍍」の標識。南を背にして北に転ずると、「頂上まで660㍍」とある。路は乾いた花崗岩質に変わり、足首に巻いた泥除けのスパッツが不要になった。陽当たりのせいで山躑躅が多い。頂上をほぼ真北に臨み、しばらく進んで眼下に目を落とすと、湖岸に東屋の建つ弥栄湖の水面が光っていた。
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中腹から景色が開け右側がダムでその 向こうはこちらと同じような岩山です |
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真砂土の坂が続きます |
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入道岩です。いいい景色でしょう |
ついで、21分“五頭岩“に至る。岩の割れ目に曲がった松やらが生えている。その先には“あざらし岩”がのっぺりとした頭を弥栄湖に向かって突き出している。
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五頭岩 |
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旗立岩 |
10時37分、白滝山頂上に着く。所要時間は1時間10分強。登山口から1400㍍ほど歩いた。この頃になると、すっかり日差しが
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頂上はもう少しです |
強くなり、首筋の後ろが焼け、大いに喉が渇く。体が未だ暑さに慣れていない。
頂上の平坦な地面に据えられた方角板には、北北東に三倉岳(その少し右奥に大峰山)・北東に黒滝山・北西に大師山と羅漢山・南西に権現山と刻まれていた。黒滝山は特定できなかったが、南に目を転ずると、弥栄湖に架かる白い斜張橋が美しかった。
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.ダムをボートが旋回し波紋が綺麗です |
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下の赤瓦の所が駐車した集会所の所です |
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三倉岳 |
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白滝山頂上にて |
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次は谷の向こうの大師山 |
記念写真を撮り、10時45分、早速、大師山に向かう。53分、“雨乞岩”へ。巨岩が重なり合い、ひとつの岩には大きな文字が刻まれている。『魔』とも『塵』とも読めるが、定かではない。
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これが大師山、100m少し下り又登ります |
続いて、56分に“千人崩れ”。11時には、左手(西)に「白滝城跡・白滝水神社・鏡池」の標識へ至る。一旦、神社と鏡池の方へ入り込んだが、どうも様子が違い引き返す。直後、西に方向を転じ、脇に太い金属の鎖の張られた路を大師山へ向かって下る。
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日本庭園 どこが日本庭園なのかよく解りません |
11時10分、鞍部に至り、上り返しとなる。“日本庭園”や“見晴岩”を経て、11時20分、そのまま西に向かえば「大師山」、左手(南)に折れて下れば「白滝山グランド」との、分岐に至る。後者のルートは、この後の急峻な路を避けたバイパスである。2分後、大師山へ250㍍の標識。
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ウサギ岩 |
11時34分、“ウサギ岩“との木札有り。これは、後で頂上から眺めると、耳を後ろに寝かせたウサギそっくりの岩だとわかった。
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三倉岳の右側は大峯山です |
さて、帰路は“大師山八十八ヶ所参道”を下ることになる。12時29分に出発。下山路の最初の標識は“くぐり岩”とある。
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くぐり岩 潜った向こうの岩が登りにくい岩でした |
だが、ここから大変だった。懸命に伸ばして降ろす爪先が容易に届かぬ段差。そしてまた、段差。同じ箇所に幾本も張られたロープ。ストックは邪魔なばかり。体を捻り、腹ばいになり、体全体を使っての悪戦苦闘の下山である。
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大師山を下りる時、1ケ所こんなロープ なしでは下りられぬような急坂あり |
しかし、路傍にそれぞれ工夫して安置された、大小さまざまな幾つもの石仏さまが、そうした私たちを励まして下さっているようだった。
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下山中腹に88ケ所巡りの石仏あり |
12時42分、最後の難関“くぐり岩”を、リュックを降ろし、体を捩り、脚を突っ張って通り抜ける。
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東屋 下山はもう少しです |
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大師堂 |
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大師像石像 ここからお参りし 88ケ所巡りをされるのでしょう |
13時ちょうど、鉄階段を下り、林道に出る。その脇の小高い位置に、立派な大師様が立っていらっしゃった。
大師山山頂から距離にして350㍍ほど、標高差320㍍ほどを、わずか30分で下ってきたことになる。きつかったぁー。
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この鉄階段を下りると山道は終わり、 車道を集会所に帰ります |
ここからは、岸根川沿いに舗装された林道を南へ900㍍ほど下れば、出発点の“岸根地区集会所”である。道々、幼少を田舎で育った身とて、蕨を抜き取り、野苺を摘まみ、蕗を採って、そぞろに歩く。
13時20分、登山道入口に戻る。所要時間4時間。万歩計を確認すると、9000歩に満たない。普段の散歩よりも随分と短い。歩行距離、推定4000㍍ほどだ。
集会所から白滝山を返り見すると、白い雲と青空を背にして穏やかに座っていた。
小瀬川(弥栄湖)の西岸にいきなり聳え立ち、東の山裾の岸根川までの東西間は2㌔に満たないだろう狭いエリアに、趣の異なる二つの秀峰。チョウベリーグーな山行だった。
それにしても、私たち以外の登山客は、少し前に出発した女性二人組と、後から出、追い越していった男女二人組だけだった。不思議だ。
了。