Friday 29 June 2018

多飯ヶ辻山 (Oiigatsujiyama)

今回の寄稿は山根さんです
平成30年6月24日(日曜日
 梅雨前線は南海上へ離れ、代わって西から張り出した高気圧が中国地方を覆い、梅雨の晴れ間をもたらした。
 本日目指すは、庄原市にある多飯ヶ辻山(おおいがつじやま)1040.3mである。岡山県と鳥取県との県境に近く、道後山の南、小奴可(おぬか)盆地に聳える山である。
ほぼ定刻の7時30分、男性4名・女性3名で2台の車に分乗し、商工センターを出発。途中、中国道の帝釈峡PAで、直行のM、Nの両氏と落ち合う手筈である。
さあ登るぞ多飯ヶ辻山!頂上が手前の森の後ろに見える

ところが、帝釈峡PAに着くや、商工センター出発組みのN氏に緊急の知らせが入り、残念なことに、同氏ひとりUターンと相成った。
東城ICを降りて、国道314号線を「東城・上帝釈(道後山)・新見」の標識に従い、3kmほど走った後、県道12号線に入る。狭くなった道を右に左に、要所に置かれた「多飯ヵ辻山」を示す赤い矢印を頼りに進むも、勢い余って、一度、間違えてしまった。
9時30分過ぎ、井河内の東登山道口に到着。出発時には、厚めの雲に覆われていた空は、この頃になると、すっかりと晴れ渡り、目指す山の秀麗な姿が美しく見えた。
登山道口は、20台ほど駐車のできる広場にあった。その隅には、簡易トイレが設置され、丁寧に拵えられた10数本の杖と立派な案内板が、登山客を迎えてくれていた。いずれも、未だ新しい香りがする。
9時50分過ぎ、登山口を出発。山頂までは、2.5km、道々、七つの一丁地蔵さんが案内して下さるそうだ。
岩とお地蔵さん

登ること10分、最初のお地蔵さんにお目にかかる。無事をお願いして進むと、やがて、短いがしっかりとした金属の階段が現れる。
浅い広葉樹林の木漏れ陽の中、決して険しい道ではないが、次第に汗ばんでくる。時折吹く風は、湿気がなく、清々しい。
10時25分、林道終点に至る。標高約800mの標識を確認し、さらに登ると、ところどころの木々にくくられた白い札が目に入ってきた。字が消えかかったものもある。良く見ると、木の名前と番号が記されていた。木々や花々に疎い私にはありがたい。山頂直前までに70いくつかの番号があったように思う。
天王社
10時57分、標高約1000mの標識がある。その先に「天王社」の古びた木製の鳥居が建っており、一礼してくぐり、奥の社を拝む。

殿(しんがり)となった3人の内、M・K二人の先達は、○○トラノオ・○○ツツジ・タラノメ・ギボウシ・○○イチゴ、・・・・とつぶやいては、盛んにシャッターを切っていらっしゃる。音痴の私がわかるのは、たしかに植生の豊かなことぐらいである。
オカトラノオの蕾
モミジイチゴ
先頭とは、随分離れ、11時12分、東屋の下に至る。この東屋も手造り感と新しさを漂わせていた。
天東屋、ここで弁当タイムを過ごすことに・・


ノイバラ

レンゲツツジ
この花は?
近くに設けられた展望案内図には、「比婆山・道後山方面」・「大山方面」・「○○方面」の三方面の写真が載せられていた。
頂上直下のこの辺りで、イチゴやらの写真を撮り続け、10分以上も留まっていただろうか。
先着組みに遅れること約20分、11時20分に頂上到着。樹木が茂って展望は全く効かない。先着組みは、既に、北側にある「大仙智明(だいせんちみょう)大権現」のお宮に下っていた。
大仙知明大権現

お宮は新しく建て替えられた大小3棟から成り、辺りは整備途上を思わせる様で風情は無い。眼下は、植林された檜があっけなく伐採され、山肌が露出、ジグザグに走るキャタピラの痕が痛々しかった。
しかし、その先の粟田地区を望む景色は、青空の映える大パノラマとなって、私たちを十分に楽しませてくれた。
猫山と道後山、遠く左側に大きく見えるのが猫山、道後山は手前の山の後ろに

比婆山連山、中央遠くに右から、伊良谷山、毛無山、比婆山、立烏帽子山、竜王山 

切り倒された大きな檜の根元に置かれた、「安永」と刻まれたお地蔵さんの姿も可愛く、心和むものだった。が、その姿は、奇妙に新しげに映り、不思議に思えた。

檜の大きな切り株の上で・・
山アジサイ
お宮から頂上に戻る途中、可憐に咲いた山アジサイが美しかった。頂上では西登山道を確認。恒例の集合写真を撮った後、昼食は、東屋で摂ることになる。
多飯ヶ辻山の山頂に集合!


食後は、もっぱら、8月初めの「白馬」への遠征登山の詳細な説明をN氏から受けて過ごした。
途中、まるでジャングルのような繁み

12時45分、登って来た道を下り始める。雑木林の中を快適に下り、13時10分、林道終点(標高約800m)を通過。13時17分には金属の階段を下る。
モリアオガエルの卵を発見!
檜の林をもっぱら右にしつつ、しばらく進み、13時30分、東登道口に無事帰着。晴れ渡っていた青空には、いつの間にか、厚めの雲が浮かんでいた。そして、登り始める時には気付かなかったが、登山口の案内板の後ろは、溜池になっており、その奥の淵に、モリアオガエルの卵と思われる白い球が、緑の枝に垂れ下がっていることに気付いた。
本日、私たちが利用した東登山道は、西登山道に代わって近年整備されたらしく、広めの道・随所の案内板や標識・備え付けの杖・金属の階段・東屋等々、整備された地元の方々の心意気が強く感じられました。感謝です!
また、この山は、深い森と谷や清冽な川と滝を抱えた雄大な山ではなく、やや単調なきらいもあるが、かなり遠方すぎることを厭わなければ、誰でもが気軽に登れる良い山だったとの感想を持った次第です。

了。

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