Wednesday, 22 August 2018

白馬岳 Shiroumadake(2938m)8月3日



大出吊り橋から向こうに杓子岳、白馬岳
  この度の白馬岳登山は明日山会として、5年前に大雨のために登頂を断念したこともあり、どうかと思ったが、今回は幸運にも天気に恵まれ、企画者のNさんの感想は、昨年の立山を100%とすれば120%以上の出来とのこと。

83日  栂池~天狗原~白馬大池~小蓮華山~三国境~白馬岳
 白馬岳を目指して栂池山荘を朝5時に出発。今日は長丁場になる。白馬山荘には午後の夕立や雷雨などに山腹で会わないようにするためPM2時までには入りたい。白馬岳山頂と出発点の栂池山荘との高低差は約1000mは下らない。

 軽い足取りで2000mの高原の樹林帯を抜け、約一時間半で天狗原までのジグザグの登坂路を登る。

天狗原の木道 白馬乗鞍岳の雪渓が光る
  視界が急に開け、山道はこれまでのゴロゴロ道から、足運びのスムースな木道に変わり、すぐに天狗原に到着。しばらく、辺りを見渡す。正面の白馬乗鞍の山肌には白い雪渓があり、ゴルフ場のバンカーのよう。
歩き心地の良い木道に足を踏み外さないように伝っていくと、右に風吹き大池別れの木道、左に白馬乗鞍岳への木道、左へ進みやがて木道からゴロゴロした中小の岩の登り道になる。
岩から岩へ、登っていく
この登山路は岩がずっと連なり、上りは、手と足をうまく使って楽に行けるが、下りはキツイ岩場の山道と化す、ホップ、ステップで要領良く、足を石の上に置いてジャンプして飛んでいかないと、歩くのがいやになるくらい足首の疲労が増す。登りは気にならなかったのが、下りでこんな道を通ったのかいと思うぐらい、歩く道の印象が違うように感じになる。
右手に雪渓が見える 涼しい!
  この登山路は岩がずっと連なり、上りは、手と足をうまく使って楽に行けるが、下りはキツイ岩場の山道と化す、ホップ、ステップで要領良く、足を石の上に置いてジャンプして飛んでいかないと、歩くのがいやになるくらい足首の疲労が増す。登りは気にならなかったのが、下りでこんな道を通ったのかいと思うぐらい、歩く道の印象が違うように感じになる。


雪渓の雪はかき氷のように少し柔らかい
  やがて中小の岩から巨大な岩がゴロゴロした登りになり、足場が大岩の合間に足を踏み込ませないよう気を付けながら、登っていくと雪渓(雪田)が見えてくる。それを右に見ながら大岩をよじ登っていくと、雪渓を横切る場所にでる。かねて用意してきたアイゼンをめいめいが取り出して、装着をはじめる。雪田での初めてのアイゼン実践となって、しばし緊張、装着の仕方も予習してきたが、ままならぬ、どうにかこうにか装着し終え、初のアイゼン使用をたしかめながら雪渓を横切る。
前方に白馬大池付近から立上る白馬雷鳥坂の雪渓

 雪渓を抜けたら、すぐにだだっ広いハイ松生い茂る原っぱにでる。岩の登山路が真ん中のケルンまでつづく。
白馬乗鞍岳山頂のケルン
 白馬乗鞍岳のケルンを過ぎ、岩場の下り道を歩いていくと、青い白馬大池と赤い白馬山荘の山小屋が眼下にみえてくる。山荘までの道はゴツゴツした下りの岩場が続く。景色に見とれて足をふみはずさないよう注意しながら降りる。
白馬大池の水は青く澄んで、泳ぎたい気分
 白馬大池山荘の裏手の繁みで雷鳥の親子を発見、近くに居合わせたラッキーな人達は、大急ぎでカメラをパシャ、パシャ。雷鳥は霧の中でしか現れないと思ったが、皆さん大喜び。しばし、雷鳥親子のお出ましで、登山の疲れも吹っ飛ぶ。


20m前方に堂々とした雷鳥さんが親子で散歩していました
雷鳥のひなたち、親鳥の後を追っかけていく・・・
白馬大池山荘テント村でひとまず昼食、再び登山路へ。雷鳥坂を登り、小蓮華山の稜線を登る。
雷鳥坂から白馬大池を望む

Mさん、肩から胸元へぶら下げている白馬の花の図鑑がユニークで、透明なビニールの袋で袋の上からでも、一目で花の図鑑と実物を見比べられることができる。すれ違う登山客の花のフアンには大もてでした。
雷鳥坂を登る、いよいよ雄大な白馬の背中の鞍部に
 雄大な、白馬岳の背なかの鞍部を登って、白馬の絶景を楽しみながらいこう。
小蓮華山への稜線を進む
この先は、尾根道のアップダウンが何回かつづきニセのピークもあり、起伏に富んだ天空ロードだ。

道は石がゴロゴロしがれきがつらなる道だが、歩き易い。道幅の広いところと狭いところがあり、両サイドは石の連なる急峻な坂というよりは崖と言っても良い。滑り落ちたら、勢い、数百メートルの谷底まで転がり落ちる。
小蓮華山から白馬岳を展望 雲に隠れている
今日の恵まれた天気は遠くまで見通せて、アルプスの山々と緑と黒の地肌に雪渓の白いパッチ模様を見ながら高い稜線を歩くのは実に気持ちが良い。山を登る者にとっては、この情景こそ最高のギフトになる。
三国境からの眺め、朝日岳へ連なる稜線か?
シナノキンバイ
ただし、足の方はペースを崩すと最後の白馬岳山頂付近になると、一歩一歩がかなり重く感じられ、靴底におもりをぶら下げたかのように上がらなくなり、息も相当苦しくなる。

 苦しい道中を癒してくれるのは、素晴らしい景色と足元に可憐に咲いている花、白馬のお花畑は種類も多く人を引き付ける。Mさんの今回撮影した花を紹介します。

イソギキョウ

コマクサ

 三国境を過ぎたころには、先頭を行く先行組とのんびり組に分かれて、のんびり組は休憩の回数が増えてしまい、ますます差がつく。休憩の数が増加するとその分苦しみは倍加しますます足取りが遅くなる。果たしてこのままたどり着けるかと心配がよぎるが、ご心配無用、この組も、さすが明日山会メンバー最後まで粘って白馬岳を踏破する!
白馬岳は間近に・・・


クガイソウ

何十年か前に、Mさんと一緒に今日と同じコースを登ったことがあり、その時は雨の中だったが、こんなにキツイ思いはしなかったはずだったが?
目の前の山にかかっていた雲が晴れ、その頂上が顔を出した。ゴールはもう目の前だ!と白馬岳の山頂だと思い、足を励まして登ると、そこの光景はなんと、その向こうにさらに高い頂きが遥かかなたに聳えているではないか!
白馬岳の山頂に着いた?
その頂きを越せるのかという不安と足を引きずって登るときの苦しみがおそう。それらの不安と苦しみをだまし、だまし、コツコツと歩いて、白馬岳山頂についに到達。その時の達成感と解放感とは何物にも代えがたい。先発隊、いや先行組が、駆け寄ってきてくれて「良く登ってこられた!」と祝福と拍手を受ける。

白馬岳山頂(2932m)厳しかった道程も忘れて
山頂には、丸い石碑のようなものがあり、ここで思い思いのポーズで記念写真をパチリ。

今宵、宿泊させてもらう白馬山荘はついこの山頂の下。15分ぐらいで到着、宿泊手続きを済ませて、荷物をあてがわれた部屋に持っていき、食堂やトイレなどの場所を確かめる。食事までの時間に間があるので、受付の建物の真向かいの喫茶ホールへ行きビールなどで一服。ホールの窓からは立山や剱が見える。


白馬山荘の庭から見た夕暮れ 明日も良い天気を期待して
さすが、2900mの白馬山荘、窓からの眺めは抜群!宿泊客は何人くらいかは,、よくわからないが、食事タイムのとき、山小屋のアルバイトさんが手際良くシステマテックにお客を誘導し、さばいていたのが印象的。いずれにしても800人は収容できると書いてあったが、ざっとかぞえて300人以上はいたかも、それにしても多い。

明日は同じ登ってきた道を引き返す。よい天気に恵まれそうだ。今宵はザコ寝。


Friday, 17 August 2018

白馬岳二度目の挑戦 Shiroumadake (2938m) 8月4日

84日 白馬岳→三国境→小蓮華山→白馬大池→天狗原→栂池自然園


 早朝、4時半過ぎ、皆で、白馬山荘から白馬岳の方角へ50mぐらい登った近くの丘にのぼり、白馬岳開発の恩人としての松沢貞逸氏のレリーフ像と碑文がある記念碑の近くに行き、そこから日の出を拝し、本日の無事下山を祈る。

今日も最高の天気に恵まれる、感謝!
今日の天気もは晴れ、白馬岳から三国境、小蓮華山、白馬大池へと、ずっと連なる尾根道の素晴らしい空中散歩が始まる!

朝6時すぎ、他の登山客とともに山荘を出発。
出発前に白馬山荘の前で記念写真
 
 出発から15分ぐらいで白馬岳の山頂へ到着、360度の景観!素晴らしい景色が広がる。復路は昨日登ったコースを辿っていく。ここからは、周辺の景色を楽しみながら下っていく、我々登山客にとっては大変贅沢な時間となる。
白馬岳山頂に登る途中、昨年登った立山と、別山から見た劔岳が彼方に

AM 6:38 白馬岳の西の旭岳(2867m)を左後方に見ながら、三国境へ尾根にそって北東へ進む。コバルト色の青空がずっと広がる。
旭岳山頂の左下の雪渓の形は、白い狼の遠吠え?「また、おいで!」と言っているようだ。

AM 640 手前の白馬岳山頂から、尾根筋は三国境へ、そして東へ小蓮華山へとつづく。
美しい山なみが、ずっと連なる。万葉集の「やまなみのよろしき国と」は、まさに!


AM 658 振り返ると中央にそびえる、白馬岳の優雅な山頂が我々を見送ってくれる。昨日はこの山頂までの道は遠かったが、なだらかな坂道が頂上の丘へとつづき、とても三千メートル級の山の頂上とは思えない穏やかな登り坂だ。
今朝の白馬岳は「ふり返り美人」

AM 707 振り返るとー昨日が白馬岳山頂と間違えたピーク。往路では坂や山の形を見る余裕がなかった。
今朝のこのピークも美しい!

AM 707 雪渓の大きさとその厚さにびっくり! 
雪渓の厚さが3m~5mはありそう
三国境(2751m)の標識

AM 7:23 三国境、ここからから北への尾根筋には朝日岳、その朝日岳からは「栂海新道(つがみしんどう)」と呼ばれ、日本海の親不知海岸へ通じる山道が一人のサラリーマンとその仲間の情熱で拓かれたとある。
この山並みの向こうにアルプスと日本海へ繋がる栂海新道がある。手前の山は鉢ケ岳


AM 731 この雪渓の雪は万年雪か?この近くで氷河が発見されているとか。
山腹には、あちらこちらに様々の大きさの雪渓が白く光っている

AM 738 ここの道幅は、写真では広く見えるが、すぐ右は谷底に通じる急斜面なので油断はできない
前方右に小蓮華山のピークが見える

AM 748 小蓮華山の山頂の手前から、今まで通った後方を振り返ると、白馬岳のピークは見えないが、左側の山のピークは杓子岳(2812m)。
格好の撮影スポット

AM 7:37 小蓮華山の近く、白馬岳の展望が良い場所で思い出の一枚。
杓子岳(2812m)・白馬岳(2932m)を背景に


AM 837 小蓮華山の鉄剣の下で記念撮影
バックの山並みが素晴らしい!皆さん上機嫌でした。

小蓮華山の近くの尾根道には、お花畑


AM 9:16 杓子岳と白馬岳の間の大雪渓が、小蓮華山と船越ノ頭の間の尾根から見えた。結構、たまっている雪の量が多い。

こここから、杓子岳と白馬岳の谷間に大雪渓が良く見える(撮影:Tさん)


大雪渓(上の写真を拡大)
美しい杓子岳、白馬岳の山々を後に、名残惜しい!(撮影:Tさん)

AM 926 雷鳥の親子に再び会える!ただ、家族の子供雷鳥は、ハイマツの茂みの中に避難してしまった。
この写真の中に雷鳥の親が一羽、悠々と歩いています。どこにいるか、わかりますか?

AM 956 船越ノ頭に着、後方を振り返るとそこには、この景色!
北アルプスの屋根、白馬岳の背中を大遊歩できた幸運に感謝!

AM 1007 白馬大池を眼下に見て雷鳥坂を下る。
白馬大池の青く澄んだ色が美しい。この池の水位は変わらないそうだ。
AM 1034 白馬大池山荘に到着。残雪とテント村、山荘の屋根の赤と山の緑、湖と空の青さとで、色彩が華やか!
ここで昼食休憩


白馬大池のキャンプ場で昼食休憩をとって、白馬乗鞍のケルンまで、岩場のゴロゴロ石の上をジャンプしながら登る。結構きつい行程だ。
上から手前の岩にたどり着く
再び雪渓渡りに挑戦。少し日差しが強くなり雪渓の雪も柔らかい。何人かは何もつけずに雪渓の反対側に難無く到着。
この後が、最後の難コース、岩と岩、その間に足を落とさないよう、足を踏ん張り、足首からくるぶしにいたる筋はもうへとへとにつかれる。
天狗原に到着してしばし休憩。最後に栂池自然園に着いた頃は暑さと足の疲れからぐったり。
白馬岳登頂をやり終えた解放感に再度ひたり、いたわりの褒美として、冷たいリンゴ水の美味かったこと。今宵は白馬の民宿泊まり、うまいビールが飲めそうだ!



Wednesday, 15 August 2018

白馬岳 8月3日  Shiroumadake (2938m) 

大出吊り橋の向こうに杓子岳、白馬岳

 この度の白馬岳登山は明日山会として、5年前に大雨のために登頂を断念したこともあり、どうかと思ったが、今回は幸運にも天気に恵まれ、企画者のNさんの感想は、昨年の立山を100%とすれば120%以上の出来とのこと。
8月3日  栂池~天狗原~白馬大池~小蓮華山~三国境~白馬岳
 白馬岳を目指して栂池山荘を朝5時に出発。今日は長丁場になる。白馬山荘には午後の夕立や雷雨などに山腹で会わないようにするためPM2時までには入りたい。白馬岳山頂と出発点の栂池山荘との高低差は約1000mは下らない。

 軽い足取りで2000mの高原の樹林帯を抜け、約一時間半で天狗原までのジグザグの登坂路を登る。

天狗原の木道 白馬乗鞍岳の雪渓が光る
 視界が急に開け、山道はこれまでのゴロゴロ道から、足運びのスムースな木道に変わり、すぐに天狗原に到着。しばらく、辺りを見渡す。正面の白馬乗鞍の山肌には白い雪渓があり、ゴルフ場のバンカーのよう。
歩き心地の良い木道に足を踏み外さないように伝っていくと、右に風吹き大池別れの木道、左に白馬乗鞍岳への木道、左へ進みやがて木道からゴロゴロした中小の岩の登り道になる。

岩から岩へ、登っていく
この登山路は岩がずっと連なり、上りは、手と足をうまく使って楽に行けるが、下りはキツイ岩場の山道と化す、ホップ、ステップで要領良く、足を石の上に置いてジャンプして飛んでいかないと、歩くのがいやになるくらい足首の疲労が増す。登りは気にならなかったのが、下りでこんな道を通ったのかいと思うぐらい、歩く道の印象が違うように感じになる。
右手に雪渓が見える 涼しい!
 やがて中小の岩から巨大な岩がゴロゴロした登りになり、足場が大岩の合間に足を踏み込ませないよう気を付けながら、登っていくと雪渓(雪田)が見えてくる。それを右に見ながら大岩をよじ登っていくと、雪渓を横切る場所にでる。かねて用意してきたアイゼンをめいめいが取り出して、装着をはじめる。雪田での初めてのアイゼン実践となって、しばし緊張、装着の仕方も予習してきたが、ままならぬ、どうにかこうにか装着し終え、初のアイゼン使用をたしかめながら雪渓を横切る。
雪渓の雪はかき氷のように少し柔らかい

 ここの雪田を渡り切る幅は約50~70mぐらいで、この時のコンディションでは雪質柔らかく、踵と靴の横をエッジがわりに角度をつけて雪の上を進めば、アイゼンがなくてもすべることはなく、また、安全のためにコース上にはロープも張ってあり、滑落のおそれは無さそうだが、安心して登りきるため、重いアイゼンを持ってきた甲斐があった。
前方は 白馬大池付近から雷鳥坂
 雪渓を抜けたら、すぐにだだっ広いハイ松生い茂る原っぱにでる。岩の登山路が真ん中のケルンまでつづく。
白馬乗鞍岳山頂のケルン
 白馬乗鞍岳のケルンを過ぎ、岩場の下り道を歩いていくと、青い白馬大池と赤い白馬山荘の山小屋が眼下にみえてくる。山荘までの道はゴツゴツした下りの岩場が続く。景色に見とれて足をふみはずさないよう注意しながら降りる。
白馬大池の水は青く澄んで、泳ぎたい気分
 白馬大池山荘の裏手の繁みで雷鳥の親子を発見、近くに居合わせたラッキーな人達は、大急ぎでカメラをパシャ、パシャ。雷鳥は霧の中でしか現れないと思ったが、皆さん大喜び。しばし、雷鳥親子のお出ましで、登山の疲れも吹っ飛ぶ。


20m前方に堂々とした雷鳥さんが親子で散歩していました
雷鳥のひなたち、親鳥の後を追っかけていく・・・
白馬大池山荘テント村でひとまず昼食、再び登山路へ。雷鳥坂を登り、小蓮華山の稜線を登る。
雷鳥坂から白馬大池を望む

Mさん、肩から胸元へぶら下げている白馬の花の図鑑がユニークで、透明なビニールの袋で袋の上からでも、一目で花の図鑑と実物を見比べられることができる。すれ違う登山客の花のフアンには大もてでした。
雷鳥坂を登る、いよいよ雄大な白馬の背中の鞍部に
 雄大な、白馬岳の背なかの鞍部を登って、白馬の絶景を楽しみながらいこう。
小蓮華山への稜線を進む
この先は、尾根道のアップダウンが何回かつづきニセのピークもあり、起伏に富んだ天空ロードだ。

道は石がゴロゴロしがれきがつらなる道だが、歩き易い。道幅の広いところと狭いところがあり、両サイドは石の連なる急峻な坂というよりは崖と言っても良い。滑り落ちたら、勢い、数百メートルの谷底まで転がり落ちる。
小蓮華山から白馬岳を展望 雲に隠れている
今日の恵まれた天気は遠くまで見通せて、アルプスの山々と緑と黒の地肌に雪渓の白いパッチ模様を見ながら高い稜線を歩くのは実に気持ちが良い。山を登る者にとっては、この情景こそ最高のギフトになる。
三国境からの眺め、朝日岳へ連なる稜線か?
シナノキンバイ
ただし、足の方はペースを崩すと最後の白馬岳山頂付近になると、一歩一歩がかなり重く感じられ、靴底におもりをぶら下げたかのように上がらなくなり、息も相当苦しくなる。

 苦しい道中を癒してくれるのは、素晴らしい景色と足元に可憐に咲いている花、白馬のお花畑は種類も多く人を引き付ける。Mさんの今回撮影した花を紹介します。

イソギキョウ

コマクサ

三国境を過ぎたころには、先頭を行く先行組とのんびり組に分かれて、のんびり組は休憩の回数が増えてしまい、ますます差がつく。休憩の数が増加するとその分苦しみは倍加しますます足取りが遅くなる。果たしてこのままたどり着けるかと心配がよぎる。
白馬岳は間近に・・・


クガイソウ

何十年か前に、Mさんと一緒に今日と同じコースを登ったことがあり、その時は雨の中だったが、こんなにキツイ思いはしなかったはずだったが?
目の前の山にかかっていた雲が晴れ、その頂上が顔を出した。ゴールはもう目の前だ!と白馬岳の山頂だと思い、足を励まして登ると、そこの光景はなんと、その向こうにさらに高い頂きが遥かかなたに聳えているではないか!
白馬岳の山頂に着いた?
 その頂きを越せるのかという不安と足を引きずって登るときの苦しみがおそう。それらの不安と苦しみをだまし、だまし、コツコツと歩いて、白馬岳山頂についに到達。その時の達成感と解放感とは何物にも代えがたい。先発隊、いや先行組が、駆け寄ってきてくれて「良く登ってこられた!」と祝福と拍手を受ける。

白馬岳山頂(2932m)厳しかった道程も忘れて
山頂には、丸い石碑のようなものがあり、ここで思い思いのポーズで記念写真をパチリ。

今宵、宿泊させてもらう白馬山荘はついこの山頂の下。15分ぐらいで到着、宿泊手続きを済ませて、荷物をあてがわれた部屋に持っていき、食堂やトイレなどの場所を確かめる。食事までの時間に間があるので、受付の建物の真向かいの喫茶ホールへ行きビールなどで一服。ホールの窓からは立山や剱が見える。


白馬山荘の庭から見た夕暮れ 明日も良い天気を期待して
さすが、2900mの白馬山荘、窓からの眺めは抜群!宿泊客は何人くらいかはよくわからないが、食事タイムのとき手際良く、システム的にお客を誘導し、さばいていたのが印象的。いずれにしても800人は収容できると書いてあったが、ざっとかぞえて300人以上はいたかも、それにしても多い。
明日は同じきた道を引き返す。よい天気に恵まれそうだ。今宵はザコ寝。