Wednesday 2 August 2017

窓ヶ山 (Madoga Yama) キレットは風の通り道

今日の山は、広島市の沼田町と五日市町の境に位置する窓ヶ山です。美しいキレットを持つ山として知られており、この会としてはずいぶん久しぶりに訪れることになりますが、風の通り道となるキレットでのさわやかな涼風が強く印象に残っています。天候は曇りですが、雨は心配しなくてよさそうです。参加者は10(6、女4)

県道41号を魚切に向かい、上河内運動広場の下に駐車、魚切登山口に進みます。堂ヶ原川に架かる橋の辺りから見上げると、頂上付近はほとんどガスに覆われていました。赤い帽子の男の子が指さす「窓ヶ山登山案内図」がある登山口に来ました。大きな砂防堰堤が見えています。
窓ヶ山登山案内板

西コース登山口
登山道には西コースと東コースがありますが、車道を少し上がったところにある案内板に従って左に入り、西コースを登ります。深くえぐれた登山道で、いきなりの急坂をしばらく上ると落葉の積もった木のベンチがありました。
この辺りから木の階段が始まりますが、かなりの段差のところもあり厳しい急坂が続きます。木々に囲まれて薄暗く、風が全くないのでとても蒸し暑い。


落ち葉の積もった木のベンチ、急坂の一服・・

頂上へ1000m標識を過ぎ、林の中の展望のない道をまだかまだかとあえぎながら登ります。7合目を過ぎると少しずつ空が見えるようになり、やや明るくなってきました。
頂上へ100m標識を過ぎると左手に大きな岩が立っています。目立つ岩で展望も良さそうだが、上がってみるとガスで何も見えません。
大きい岩が直立
ここから少し上ると主稜線に出ます。案内標識に窓ヶ山まで50mとあります。ガスがかかった道を一旦少し下り、登り返して大岩の間を抜けると西峰の山頂に出ました。
三角点が置かれた山頂からは、目の前に市街地と瀬戸内海が展開するはずですが、今日は真っ白、いやグレーか。全く何も見えません。

休憩後、東峰に向かって岩を下り「憩いの森」方向に進みます。すぐに「祈願成就 首なし・地蔵尊」の案内板が立ち、祠があります。
祈願成就 首なし・地蔵尊の祠


 祠分岐から下るとすぐに「おんな岩」です。西峰以上の素晴らしい景観が広がるはずのこの大岩に立っても全く同じ真っ白です。
おんな岩から滑りやすい道を下り、「遠藤小祠」から5分ぐらいで窓ヶ山の名前の元になったと云われる鞍部のキレットに着きました。窓が山の象徴であるこのキレットに立つと、あの印象的な涼風が今日も同じように吹いていました。今日は、数々の展望地からの美しい景観を楽しむことはできませんが、はっきりと記憶に残っているこの涼風は、間違いなく窓ヶ山だと感じさせてくれました。


おんな岩
キレットからはまた登りになり、鎖の架かる岩場をすぎると東峰山頂です。展望は期待していないので、予定を早めてここで楽しい弁当タイムにしました。来月の日程や9月に予定している立山の話などをした後、「窓ヶ山憩いの森」に向かいます。憩いの森まで行って引き返し、東ルートで下山するとこにしました。

東峰から10分ほど下ったところには「7合目展望岩」がありますが、ここはスルーしてさらに下っていき、案内標識に従って左折して中央登山道に入ります。休憩東屋を過ぎた辺りまで下ったところで、憩いの森まで行く組とここで待っている組に分かれ、憩いの森組はヒノキの林の中をさらに下ります。しかし、どこで失敗したのか憩いの森への道を見つけられません。あきらめて引き返し、東屋で待っていた組と合流して東コース分岐まで登り返しました。

 ここから東コースで下山、初めての道です。五日市(魚切)方面の標識に従って、左が急斜面の細い道に取り付きます。すぐ高い段差で斜面におりて急な坂道を下ります。
 道ははっきりしていますが、急傾斜な山道は落葉も積もって滑りやすく注意が必要です。
尾根沿いの道を30分ほど下っていくと右手から沢の音が聞こえてきて、水音はだんだんと大きくなります。覗いてみると滝が見えます。左右両側が切れ落ちた尾根道を下っていくと沢に出会いました。「水晶谷の二俣」という場所だそうです。冷たい水で汗をぬぐいました。

  ここからは沢沿いに歩きます。基本的には沢の右手を歩きますが、丸太の橋を渡ったり倒木を踏み越えたり、場所によっては沢の中を歩いたりして沢の左右を歩きます。二俣から20分ぐらいで河原に出て平坦な道になりました。平坦になった道を10分ほど歩き、長く伸びた草の中を抜けるとコンクリート橋の袂に出てきました。橋を渡って舗装路を下ると魚切西コース登山口です。出発時に頂上を見上げた橋から振り返ると、きれいなキレットが確認できました。


本日のコースを確認

この魚切東コースは、下山口の河内地区が平成116月の豪雨により大きな被害を受け、登山道も土石流により崩壊し長く通行止めになっていたそうです。水晶谷の二俣からの沢沿いの道にはやや不明瞭な箇所があり、沢を左右に渡ったり沢の中を歩いたりするところもあるので、ゲリラ豪雨が頻発する昨今では、不安定な天候の時は気を付けなければならないと思いました。

 今回の窓ケ山は、景観、眺望からは全く無縁だったため、キレットの涼風と東コースの沢歩きだけが印象に残りました。憩いの森に行けなかったこと、また東コースの状況について、事前の情報収集が足りなかったことを反省しています。